村上春树-《村上さんのところ》

翻译 | 《村上さんのところ – 感受性》

2017年2月17日

感受性の磨きかたを教えてください
请告诉我磨练感受性的方法

質問:

こんにちは、私は演劇に関わっていきたい女子大生です。村上さんの作品は語感や言葉選びが素晴らしいものばかりだと思いました。そこで今まで表現するための感受性をどのようにみがかれましたか?

您好,我是参与演剧的女子大学的学生。我觉得村上先生的作品的语感或语言的选择都是非常精妙的。那么至今为止用来表达的感受性是怎样磨练出来的?

回答:

感受性を磨くためにはどうすればいいか?とても漠然としたものになってしまいます。感受性を身につけるためには、努力が必要です。何かがほしいと思ったら、こちらも何かを差し出さなくてはなりません。大事なものがほしければ、大事なものを差し出す必要があります。ただほしいと思って身につくものではありません。僕はそれを「身銭を切る」と表現しています。もっと簡単にいえば、「痛い思いをして、身体で覚えていくしかない」ということです。ある程度痛い思いをしないと身につかないことってあるんです。

どんな痛い思いか?それは人によってそれぞれに違います。ひとつだけ言えるのは、気持ちよく生きて、美しいものだけを見ていても、感受性は身につかないということです。世界は痛みで満ちていますし、矛盾で満ちています。にもかかわらずきみはそこに、何か美しいもの、正しいものを見出したいと思う。そのためには、きみは痛みに満ちた現実の世界をくぐりぬけてなくてはなりません。その痛みを我が身にひりひりと引き受けなくてはなりません。そこから感受性が生まれます。

少なくとも僕はそのように考えています。No pain, no gain。ということです。僕がきみくらいの歳のとき、何かを書こうと思っても、何も出てきませんでした。でも29歳になったときに、何かを書きたいと強く思いました。たぶんいろんな苦痛が、僕を成長させてくれたのだと思います。

为了磨练感受性要怎么做才好?非常的模糊笼统。为了掌握感受性,努力是必须的。如果想要什么东西,自己必须要伸出一些东西。如果想要重要的东西,就有必要伸出重要东西。仅仅想要是不能掌握的。我会用「自掏腰包」来表现这个意思。更简单地说,就是「只有经历痛苦的感受,并且让身体记住」。也有不经历某种程度的痛苦感受就不能掌握的事情。

什么样的痛苦感受呢?这是因人而异的。能说的话只有一句,心情愉快地生活,只是看美丽的东西,是不能掌握感受性的。世界充满了痛楚,充满了矛盾。尽管如此你还想在那里选出美丽的东西,正确的东西。为了这个, 你就必须渡过充满痛楚的现实世界。我们的身体必须火辣辣地承受这股痛楚。从那里产生感受性。

至少我是这样思考的。No pain, no gain。这么一回事。我在你这样的年龄的时候,即便想写点什么,也什么都写不了。但是到了29岁的时候,感觉强烈地想写点什么。我想大概是各种各样的苦痛,让我成长了。